Wheels Of Blue

何者でもない人間のひとりごと

流行作家

晴れの一日。仕事帰りにスーパーへ寄る。いつも買っている惣菜パンが売り切れ。残念。安売りしている缶詰を多めに買う。そのうち値上がりするから。帰宅してからは、ある作業に没頭。しかし、ビデオゲームがそうであるように、ご利益のあるものではない。

ところで最近読んでいるのが、クリスティの「メソポタミアの殺人」。今タイミングよく殺人が起こったところ。ポアロものだが、語り手がヘイスティングズではなく、若い女性に設定されている。やや頭がいいものの、世俗的な物の見方をする人物。大衆受けのためには当然か。簡潔だが、人間理解が浅いと書けない文章。作者自身は庶民的というより、上品な人だったのだろう。低俗な次元にまで落ちてはいない。

例えば、有名サイトのコメント欄には、批評家気取りの大衆が無責任な放言を垂れ流している。品の良い人は、彼らの下卑た視線や発想に眉を顰めるかもしれない。自分なら「〇〇がなんかいってる」と切り捨てるところ、流行作家は彼らの欲望に寄り添った姿勢で仕事をする。ビジネスだからとはいえ、少しは見習わねば(作家じゃないけど)。

クリスティにはそれほど詳しくなくて、「アクロイド殺し」のような本格ものがあるかと思えば、単なるサスペンスに終わる作品もあって、いまだに作風がつかめていない。意表を突く本格ものを一応期待しているが、どんな展開になるかハラハラする(メタ的に)。前回読んだポアロ登場作がなかなか良かったので、今回も期待。