Wheels Of Blue

何者でもない人間のひとりごと

ミステリの女王

 休日。昼食にはスーパーで買った、のり弁。値段の割に量が少なすぎ。中身が見えない容器に入っていた。特に味が良いというわけでもなく、添加物不使用のようなセールスポイントがあったわけでもなく…。去年、Epiphone SGを特価で手に入れたが、使い込んでいくうちに段々と安っぽさが気になっていった。音の密度が低い、という評判をあらかじめ耳にしていたが、そんな感じは実際にする。ネックの握りや押弦のしにくさも、コストカットの影響が大だなと思う。コイルタップはほとんど使わず、個人的にはこちらを無くして欲しかった。トーンとヴォリュームのつまみも、それぞれ一つずつで充分だと思う。それでも、カジュアルに弾ける一本が欲しい、という欲求は満たしてくれたので一応納得はしている。チューニングも狂わないし。

 さて、今日読み終わったのがクリスティの"Peril At End House"。中古品だけど、前の持ち主の書き込みはなくてネタバレされずに済んだ。邦題は、自分の本だと「エンドハウスの怪事件」。出版社によっては「邪悪の家」らしい。この前に読んだクリスティ作品は期待したほどの出来ではなかったのでどうなることかと思ったが、なかなか良かった。かなり序盤の方で犯人の見当はついてしまったけれど、終盤に「あれ、もしかして別の犯人かも?」という展開があったり、見落としていた伏線が回収されたりと、なかなか楽しめる作品だった。クイーンほどガチガチの理屈はなく、カーのようなトリック勝負でもない、自然体の本格ミステリ。各キャラクターの言動に無理が少ない。リーダビリティも他の二人と比べて圧倒的に高い。それでいて、多くの読者が疑わなかった人物が犯人という意外性。ミステリの女王と呼ばれる訳だ。「レッドへリング」という言葉が指す意味が、自分にもようやくわかった。食わず嫌いしていたけれど、これからもっと読みたいと思う。