Wheels Of Blue

何者でもない人間のひとりごと

ボンカレーのゴールデンルール

正月も終わりなのだろうか。仕事始めというやつだろうか。通勤途中のビルの工事が再開していた。冬だが、気温はちょうどいい。一年中こんな感じでもいいくらい。

お正月ということで、スーパーにもおせち料理っぽい惣菜が並んでいたが、あえてボンカレーを食べた人もいるのでは?(いない。) ボンカレーを知らない人に向けて解説しよう(強引)。かつては「具が大きい」という謳い文句のレトルトカレー食品で、テレビCMでは安達祐実を起用していた。安達祐実って? 安達祐実。かつて「家なき子」というドラマに子役で出演。作中で繰り返された「同情するなら金をくれ!」というセリフが印象的。…何を書こうとしていたんだったっけ。そう、カレーだ。

カレーを食べるときに欠かせないもの、といえば何だろうか? 炊いた米に、カレー・ルー、そして食器。ここまでは大体意見が一致すると思う。個人的に問題にしたいのは、福神漬けか辣韮、あるいは沢庵などの漬物を添えるという常識である! 日本で子供時代を過ごした者なら誰しも、自分が通っていた学校の行事で、半強制的にキャンプ場などへ連れて行かれたことと思う。そこでは、これまた強制的に飯盒炊爨とカレー作りを体験させられたことだろう。わざわざ波長の合わない奴らとも班を組まされ、何故かガスコンロを使わずに、薪を割って火を起こすところからスタートさせられる非効率。「どうしてこんなことをしなきゃいけないんだろう」とみんな心の中では思っている。やっぱり強制はいかんよ…って、何の話だったっけ? そう、福神漬けだ。

ご飯が炊き上がり、カレーを充分に煮込んだところで、お皿によそう。このとき、馬鹿にするように言われたのだ。「福神漬けは付けないの?」と。僕は当時、世の中に福神漬けなんてものがあることを知らなかった。だから、どういうことなのか意味がわからなかった。

カレーには福神漬け。日本の社会での常識。確かに、レストランなどでカレーを注文すると、福神漬けとは限らないが、漬物が必ず付いてくる。でも、どうして? 別になくてもまったく困らないと思うし、他人に振る舞うときに添えていなくても、小馬鹿にされる理由にはならないとも思う。むしろ、そんなことを当然視する方がおかしいのでは…。

社会には理不尽な常識がまかり通っている(ここで、いきなりの一般化)。みんなステレオタイプに嵌りたがっている。悪態をついて終わらせるのも薄っぺらすぎるので、後にもう少し考察してみたいが、ここでは取っ掛かりの一言だけメモしておこう。

ヒトは「了解できない不安定さ」に耐えられない