Wheels Of Blue

何者でもない人間のひとりごと

現代人のストレス

休日の日。頭痛が痛い。アルコールを摂りすぎたからではない。慢性的なものだ。主に精神的ストレスから来るのだと推測している。精神的なストレスは、外からの刺激によるものと、内からによるものがある。外からの刺激は、外界と関わらないようにすることで避けることができる。しかし、内からのストレスは、それほど容易ではない。禁煙を思い浮かべてみればいい。ニコチンを摂取したいという欲求がありながら、それができないという状態に常時晒されるのだから。さて、ここから一般論を抽出してみよう。内からのストレスは、「〜したい」「〜であれ」という欲求や願望と、それらが満たされない現状とのギャップから引き起こされる、と。

世間と接していると、様々な欲望が掻き立てられる。ネット上のSNSでは、大勢の人が羨むライフスタイルが映像やテキストなどを通して流付され、その反動として、明るい場所では賞賛や祝福の、暗い場所では妬み嫉みの、数々の表現が実名匿名でなされている。少数の勝者と多数の敗者。強者はグラスを傾け美酒に酔い、弱者はうつむき唇を噛み締める。分不相応な欲望に引き摺られる形で、現代人の多くはストレスに苦しんでいるかのよう。自分のような厭世家は、嫌々世間と関係しているが、せめてもう少し精神衛生上過ごしやすい環境に整えてくれないか、と虚しく願っている。

ところで、川などで溺れた人は、助かろうとしてもがくよりも、自然に逆らわないようにしている方が、助かる確率が上がるという。あるいは、身体に怪我をして、「痛い痛い」と喚くのは無駄なだけではなく、さらなる苦痛をもたらす。「助かりたい」「よくなりたい」という強い「思い」が、不幸を呼ぶのだ。

スティーヴ・ヴァイというギタリストは、創造的なプレイの原動力は"passion"だと言う。日本語の「情熱」のように、「燃えるような熱い思い」という意味ではないらしい。曰く、「なんとなくこうありたい」というような、漠然とした精神の動きなのだ、と。