Wheels Of Blue

何者でもない人間のひとりごと

街並み

日常真っ只中の平日。昼間は暑いくらい。そろそろ桜が見頃になりそうだ。というニュースを見た。実際に桜の木を観察したわけではない。そもそも、近所の木ならどれが桜か知っているが、花が咲いていないとどれも同じような木でしかない。一年のうち、ごくわずかな期間だけ何の種類かが意識される。春は桜が多いが、早春は梅、梅雨は紫陽花、秋にはイチョウ。植物には興味がないので、他はあまり知らない。風光明媚な日本の四季。豊かな自然を持つ国に生まれたこと感無量である(嘘)。ところで、人里離れた土地でない限り、街の木々は誰かが意図して植えたはず。つまりは、これらは自然物である以上に都市デザインのマテリアルである意味合いも帯びている。

さらに、東京の街並みを思いおこそう。京都でもいい。あの景観の醜さといったら、世界有数のものだろう。「開発計画」という言葉を使って建物をどんどん築いてきたが、ヨーロッパやアメリ東海岸の古い街と比べて、明らかに統一性や一貫性に乏しく、行き当たりばったりな印象だ。知恵を絞って計画を立てたというのとは真逆で、やりたい放題という意味で「自然(ワイルド)」だ。

人が創ったものには創ったものの思想が表れる。日本製の都市は、本能的な欲求を理性的にコントロールし切れずに、不調和な精神分裂状態をそのまま表現しているようだ。